カテゴリー別アーカイブ: 陶器・磁器

pottery

阿都麻焼(あずまやき)悠工房

阿都麻焼(あずまやき)悠工房

日常使いの器でありながら
女性が描かれているのが特徴

阿都麻焼(あずまやき)悠工房

ほのかな明かりが見る人の心を和ませる

南洞史朗さんは高校卒業後に東京の工芸専門学校で技術を習い、卒業後は絵柄の美しさで知られる石川県の九谷焼へ。オブジェから雑器まで幅広く作っている窯元で5年間修行しました。昭和58に故郷衣川に戻り窯を開きました。

「源平盛衰記の中に登場する袈裟御前と呼ばれる美しい女性で幼名が阿都麻。衣川にゆかりがあり、阿都麻(あずま)という響きにひかれ、私の焼き物を阿都麻焼としました」と語る南洞さん。作品には、日常使いの器でありながら、女性が描かれているのが特徴。繊細でありながら力強さを感じる線で描かれた、女性の絵付けはまさに阿都麻を彷彿とさせるものです。

日常使われる器とは違う作品も見せていただきました。ほのかな明かりが見る人の心を和ませる夢明かり。また、作品の中には依頼を受けて作るものもあります。平泉中尊寺の藤原氏の宴で毎夜使われたカワラケ。「カワラケは素焼きで焼く温度が低く、上薬を使わないため水がしみこみます。使う前に2時間ほど水に浸し、器に水分が飽和した状態で使う物です」と作品によって焼く温度や粘土の違いなども教えていただきました。

普段は、ここ衣川の工房で作品を作っていますが、時々は展示会にも出かけます。世嬉の一酒造「黄金の国陶芸展」や宮城県村田町「陶器市」には1年に一度は出かけ、仲間達とのふれあいも楽しみながら、ゆっくりと作品作りを行っています。阿都麻焼(あずまやき) 悠工房は国民宿舎衣川荘の直ぐ近くにあります。こちらにおいでの際はお気軽にお立ち寄りください。

阿都麻焼(あずまやき)悠工房
〒029-4427 岩手県奥州市衣川区陣場下
TEL 0197-52-3121



より大きな地図で 阿都麻焼(あずまやき)悠工房 を表示

あすみ工房

あすみ工房

あすみ工房

あすみ工房

あすみ工房

高校時代に美に興味を持ち東北生活文化大学生活美術学科に進んだ小山さん。自由な校風もあり、絵画はもちろん彫刻やデザイン、工芸のなど多岐にわたり美術全般を自由に学びました。「最初から陶芸をすると決めていたわけではありませんでしたが、平面より立体、そして不定形の粘土から想いを形にしていく事がとても気に入りこの世界に進むことを決心しました」

卒業後は宮城県蔵王町にある蔵王焼万風窯の豊原弘之氏に師事。ここでは蔵王山麓の土を運び粘土を作り、電動ロクロや手びねりで色々な作品も作り、わらを燃やし灰にして釉薬を調合することも、穴窯を焚くための赤松を運んで薪割も行い、日々陶芸に明け暮れる毎日でした。年2回、春と秋の穴窯の火入れの時には先生の知り合いや生徒達が大勢集まりお祭りのようで5日間にも及ぶ窯焚きの盛り上がりと緊張、窯出しの際の興奮は特別なものだったそうです。またお客様との交流は楽しくも学ぶ事が多い経験であり、5年間で陶芸に関する全てをここで勉強したそうです。

独立にあたり師匠から「落ち着いてから窯を開くのでは、何時までたっても開けない、岩手で直ぐに窯を開きなさい」との言葉もあり、平成15年(2003)にあすみ工房を開き今年で7年目になるそうです。「わたしの工房では日常食器を中心に灯油窯で焼いていますが、このときの作品づくりが原点になっています」

小山さんの作品は必ず故郷、石巻の土を混ぜて作ります。大学卒業の制作に取り組む時、生まれ故郷の土を作品に使うことを考え、最初は石巻市内の粘土を探して歩き見つけた粘土を使って作っていたそうです。ところが同じ粘土が実家にもある事がわかり、今はこの粘土を混ぜて使っています。

小山さんは子育てもあり一関市を中心に地元で活動しており、工房のほかには近くの道の駅厳美渓や市内の温泉などでも作品を求めることができます。展示会は世嬉の一酒造【黄金の国陶芸展】、ギャラリー土夢【女流作家に5人展】また1年に1回は地元を離れ平成9年大学を卒業した仲間達と行う仙台メディアテークでの【ライフワーク展】には普段とは違う作品も出品しています。また万風窯時代のように陶芸の面白さを伝えてゆきたく陶芸教室も開いています。厳美渓に遊びにいらした際は気軽にお立ち寄りください。

あすみ工房
〒021-0101 岩手県一関市厳美町八幡沢58-1
0191-29-3300


磁器 杏工房

コーヒーカップ

コーヒーカップ

釉裏彩野葡萄文蓋物

釉裏彩野葡萄文蓋物

杏工房は夫婦で工房を営んでいます。磁器の作品を作り続けて25年。渡辺琢哉さん・渡辺万里さんがそれぞれを分担して作品作りをしています。杏工房の名前は万里さんがつけました。「昔おばあちゃんが作ってくれた杏梅の梅干やジュース、ジャムを楽しみ、小学生の頃、種とビーズを使い簾を作った思い出が物作りの楽しさと結びつき迷わず名前は杏工房にしました」

万里さんは幼い頃の想いもあり、手に職をつける道を選択したそうです。専門学校をさがしていた時、唯一あったパンフレットが瀬戸の愛知県瀬戸職業訓練校。1年間集中して窯業について学んだ後、瀬戸で9年絵付けの仕事をしながら、空いた時間を利用してはご自身のアイデアを生かした磁器の雛人形作りを始めたそうです。その後、両親の勧めもあって盛岡に工房を構えました。

今では焼き物のお雛様も色々ありますが、当時はめずらしく、まして磁器で作ったお雛様は少なかったようです。なかには毎年新作を待っている方や、女雛・男雛に合わせて三人官女などを追加してくれるお客様もいるそうです。その他、動物をモチーフにした作品も渡辺万里作として喜ばれています。

琢哉さんは愛知県瀬戸市生まれ。瀬戸は言わずとしれた焼物の町。お父さんも焼物の仕事をしており、琢哉さんは物心ついた時には既にこの道を職として考えていたそうです。愛知県立瀬戸窯業高等学校専攻科に進学して技術を学び、その後陶画師の秋野一歩先生に師事。万里さんとの出会いもあり、盛岡で暮らす事を決心。

「窯業原料(磁器土等)がどこにいても手に入るようになったので盛岡で磁器製作をすることに支障はありませんでした。昔は土を購入するにも自分で取りに行くか、トラック一台分の仕入れのため土を送るのが大変でした。幸い私が来る頃には宅配便のおかげで磁器土や原料は送って貰えるのでどこででも出来るようになりました」

盛岡に移り住んで2000年には(社)日本工芸会正会員に認定され、日本伝統工芸展、東日本伝統工芸展、朝日陶芸展、東海伝統工芸展、盛岡手づくり村大賞等に入選、入賞。染付け、釉裏紅の技法を主に磁器の作品を作っています。

二人それぞれの作品作りと別に、杏工房としての共同作品があります。それぞれが得意な分野を分担して作品を作ります。琢哉さんがロクロで成形し万里さんが野に咲く花や、山野草を中心に絵柄を描き仕上げます。淡い色とやわらかさに万里さんの特徴があります。

杏工房での展示会の場合は二人のそれぞれの作品はもちろんの事、杏工房の二人のコラボ作品も一度に楽しめるものです。二人の息のあった作品がこれからも多くの方に親しまれることでしょう。

杏工房
〒020‐0834岩手県盛岡市永井22-1-4


七ッ森十喜工房

ハウスシリーズ

ハウスシリーズ

花器シリーズ

花器シリーズ

雫石に七ツ森十喜工房を構える内藤さんは、横浜でサラリーマンとして土木技師の仕事柄、土を使う陶芸に興味を持ち17年間、同じ陶芸教室に入り浸り陶芸三昧の生活をしていました。内藤さん曰く「私が通った陶芸教室では教室にありがちな型にはまった教え方ではなく、仕事の現場で出た土を使うことも、好きなものを作ることも、斬新な物も作ることも許してくれた、そんなことで17年間も続けられた。但し、どんな作品でも図面を書いて、そのとおりの作品になる事だけはよく言われたことです」と話してくれました。

故郷岩手に工房を開くにあたり陶芸で感じた【創る喜び、目で見る喜び、肌で感じる喜び、使う喜び、探す喜び、出会う喜び、語り合う喜び、調べる喜び、伝える喜び】十の喜びと、七ッ森の地名をとって工房の心として七ッ森十喜工房にしたそうです。工房をかまえて8年になりますが、今でもそのときの心が反映されて、喜び、楽しさがあふれる器や花器、オブジェなど様々な作品があります。内藤さん「食器は料理と器の相性を工夫し楽しめるもの。花器は庭の花、プランターの花や野に咲く花を気負わずに生ける事が出来る使いやすいもの。オブジェエは遊び心があふれ誰でもが喜べるものを作っています」

工房のある雫石は横浜とは違い、年の半分も冬の季節があります。この時が内藤さんの作陶の原点であり、作品の構想をねり、アイデアを試している時期だそうです。「今後は地元岩手の土を使ったものや岩手の風土、豊かさも表現していきたい」と語ってくれました。

写真の作品はハウスシリーズで明かりが燈るものです。「ハウスから柔らかい明かり漏れる様に、窓の形や位置に苦労した」そうです。下の作品花器シリーズでちょっと花器には見えないユニークさがあり、遊び心が伝わってきます。この春には工房に小さな展示場を作り、訪ねてくれるお客様に常設展示できるように心がけています。

七ッ森十喜工房
〒020-0502岩手県岩手郡雫石町板橋30-92 TEL019-692-6512


「のだ窯ギャラリー IZUMITA」

のだ窯ギャラリー IZUMITA

泉田之也さんの作品

のだ窯ギャラリー IZUMITA

のだ窯ギャラリー IZUMITA

岩手県には実力のある工芸作家が多くいます。岩手県の県北、海岸部の野田村にギャラリーを構える陶芸家、泉田之也さんもその一人。泉田さんの作品は穴窯による焼締めの作品。穴窯はガス窯と違い、自然の風合いのある作品ができることが特徴。泉田さんは、従来の陶芸のイメージを一新する作品で、2000年、2002年の二度、朝日陶芸展のグランプリを受賞しました。突出した感性を生かし、現在は器作りに取り組んでいます。昨年8月には「のだ窯ギャラリー IZUMITA」をオープン。常設作品を鑑賞できるようになりました。ギャラリーには、お客さんが簡単な器作りの体験ができるスペースも設けてあり、チョットした陶芸家の気分も味わえます。泉田さんは、2月22日からの愛知県常滑市で開かれる個展に向けて、穴窯のある作陶拠点のアジア民族造形館で作品作りをすすめています。東北地方はこれからが寒の本番ですが、観光客もまばらなこの時期こそ、陶工と話ができ、ゆっくり作品を鑑賞できる絶好の季節かもしれません。これから旅行を計画されている方には、岩泉町の小本温泉に宿泊し、久慈の琥珀や岩泉木工家具を併せて見学するのがおすすめのコース。雪道のドライブは、くれぐれも安全運転で。

のだ窯ギャラリー IZUMITA
岩手県九戸郡野田村玉川5-79-17