植田紀子織物工房

植田紀子織物工房

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植田紀子織物工房

植田紀子織物工房

織物工房を主宰する植田さんは岩手大学を1975年卒業後、一旦は教職に身を置おきましたが、友人の薦めでホームスパンと出会い、布のもつ風合い、やさしい色彩、織の奥深さに魅了されました。これと思うと全てに集中する植田さん。教師をやめ本格的に織物作家に師事しホームスパンの道に歩み出したのは1977年です。

「魅了されて自分で決めた事ですが、私に続けられるのかと思ったことが何度もありました。でも織りの魅力に引き込まれて5年間作家さんの元で学びました」

ホームスパンは英国が本場。留学して更なる技術を学びたいと思っていた折に、友人の紹介でデンマークの工芸学校の関係者に出会い、どんどん話が進み、英国ではなくデンマークの学校へ行けることに。思わぬ展開に「えっ」と思ったそうですが、その場で決心しサインしたそうです。そして糸が誘い繋いでくれるように「デンマーク王立スカルス工芸学校」に入学。導かれ1年間織りの勉強をして帰国。1981年に「植田紀子織物工房」のアトリエを開きました。「世界中の人との出会いは、視野を広め、自分自身を奮い立たせる原点になっています」とのこと。

ホームスパンは、イギリスの農家が羊毛を染め手で紡いで織った素朴な織物です。日本では明治に国の産業として牧羊を奨励したのが始まりで、ホームスパンが作られました。イギリス宣教師が県北二戸地方で織りを教えたのが岩手での始まりと言われています。今の技術は、花巻市東和町の農家、梅原乙子氏の牧羊と織物技術、加えて及川全三氏の織糸の草木染めの卓越した技術の継承があって成り立っています。岩手はホームスパンが息づいている地域です。この恵まれた環境が紀子さんのホームスパンの基盤ではないでしょうか。

植田さんの作品は草木染で、身の辺りの植物などを採取し、染色に使います。時には友人や庭師の方も染色に向く木の葉や枝、樹皮などを持ってきてくれます。ホームスパンは糸作りから行います。羊達が着ている毛ですから汚れやゴミなどが付いています。ゴミを丁寧に取り除き、洗毛し染色します。次はカーディング、糸つむぎ、製織、縮絨、仕上げと続きます。「草木染めの難しさと面白さは、二度と同じ色が出ないことです。同じに見える色の場合も、極めて近い色と表現したほうがよいかもしれませんね」

種類別に染色した毛のサンプル集と日誌に貼ったサンプルを見せて頂きました。料理のレシピのように「染料植物は何、割合はいくら、染色した年月日」と細かに記されていました。「コチニールを使った赤と、くるみを使った茶が好きで、作品は服地やショール、マフラーなど。見せていただいたマフラーは、表柄と裏柄の絶妙な色のバランスでリバーシブル。着こなしも楽しめて身に着ける人にはうれしいと思います。

植田さんはホームスパン教室も開き、後進の指導育成も行い、岩手のホームスパンを後世に伝える事にも取り組んでいます。個展はもちろんのこと、2年に1回の植田紀子織物教室展である「十人十色展」では、自身の作品と生徒さんの作品を展示販売しています。「植田紀子織物工房」の作品は、盛岡では材木町にある光原社でお求めいただけます。教室やホームスパン作品展のお問い合わせは工房までお願いします。

植田紀子織物工房
〒020-0801盛岡市浅岸三丁目3-18
TEL019-654-1433 FAX019-624-5306

株式会社光原社
〒020-0063岩手県盛岡市材木町2-18
TEL019-622-2894