磁器 杏工房

コーヒーカップ

コーヒーカップ

釉裏彩野葡萄文蓋物

釉裏彩野葡萄文蓋物

杏工房は夫婦で工房を営んでいます。磁器の作品を作り続けて25年。渡辺琢哉さん・渡辺万里さんがそれぞれを分担して作品作りをしています。杏工房の名前は万里さんがつけました。「昔おばあちゃんが作ってくれた杏梅の梅干やジュース、ジャムを楽しみ、小学生の頃、種とビーズを使い簾を作った思い出が物作りの楽しさと結びつき迷わず名前は杏工房にしました」

万里さんは幼い頃の想いもあり、手に職をつける道を選択したそうです。専門学校をさがしていた時、唯一あったパンフレットが瀬戸の愛知県瀬戸職業訓練校。1年間集中して窯業について学んだ後、瀬戸で9年絵付けの仕事をしながら、空いた時間を利用してはご自身のアイデアを生かした磁器の雛人形作りを始めたそうです。その後、両親の勧めもあって盛岡に工房を構えました。

今では焼き物のお雛様も色々ありますが、当時はめずらしく、まして磁器で作ったお雛様は少なかったようです。なかには毎年新作を待っている方や、女雛・男雛に合わせて三人官女などを追加してくれるお客様もいるそうです。その他、動物をモチーフにした作品も渡辺万里作として喜ばれています。

琢哉さんは愛知県瀬戸市生まれ。瀬戸は言わずとしれた焼物の町。お父さんも焼物の仕事をしており、琢哉さんは物心ついた時には既にこの道を職として考えていたそうです。愛知県立瀬戸窯業高等学校専攻科に進学して技術を学び、その後陶画師の秋野一歩先生に師事。万里さんとの出会いもあり、盛岡で暮らす事を決心。

「窯業原料(磁器土等)がどこにいても手に入るようになったので盛岡で磁器製作をすることに支障はありませんでした。昔は土を購入するにも自分で取りに行くか、トラック一台分の仕入れのため土を送るのが大変でした。幸い私が来る頃には宅配便のおかげで磁器土や原料は送って貰えるのでどこででも出来るようになりました」

盛岡に移り住んで2000年には(社)日本工芸会正会員に認定され、日本伝統工芸展、東日本伝統工芸展、朝日陶芸展、東海伝統工芸展、盛岡手づくり村大賞等に入選、入賞。染付け、釉裏紅の技法を主に磁器の作品を作っています。

二人それぞれの作品作りと別に、杏工房としての共同作品があります。それぞれが得意な分野を分担して作品を作ります。琢哉さんがロクロで成形し万里さんが野に咲く花や、山野草を中心に絵柄を描き仕上げます。淡い色とやわらかさに万里さんの特徴があります。

杏工房での展示会の場合は二人のそれぞれの作品はもちろんの事、杏工房の二人のコラボ作品も一度に楽しめるものです。二人の息のあった作品がこれからも多くの方に親しまれることでしょう。

杏工房
〒020‐0834岩手県盛岡市永井22-1-4